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狐に化かされて 二話

ふと目を覚ますと体の感覚がおかしい。上体を起こしてみるとさらにおかしい。
最初に分かったのは肩が重いということだ。疲れて肩が凝っているというよりは
なにか肩から錘でもぶら下げているようなそんな気がした。本当に錘か何かが
ぶら下がっているのではないかと糸の先を追うように下に目を向けた。すると目
の前に突然、障害物が現れた。障害物はスウェットの中に隠れていている為、
服が膨れ上がっている。最初大きな腫物ができたと思い、慌てて服をめくった。
腫物はゼリーのお菓子を容器から皿に盛り付けたような形をしていた。それも二
つも。そして、ゼリーの上にはおあつらえむきに綺麗なピンク色をした形は干しぶ
どうのようなちょぼがひとつづつ置いてある。いやこれは腫物ではない。彼はこの
ようなものを見たことがあった。彼がまだ赤ん坊で手足を使って歩いていた時に一
度、つい先月レンタルしてきたアダルトビデオで一度、みたことがあったのだ。こ
れはおっぱいというものではないだろうか。いやそうに違いない。これは釣鐘形と
言われるおっぱいで乳首がややこちらに向いている。そしてこの柔らかさはマショ
マロだろうか木綿豆腐だろうか。どちらにせよ、これはおっぱいだ。そう確信したの
は彼自身がそのおっぱいなるものに目を奪われ、それに支配されてしまうように興
奮してしまったからだ。現に彼の一物は大きくそそり勃っていた…はずだった。
「あれ、起たない…」
いつもならこのような女の裸体をみれば少なからず下のほうで血液が集まるように
“アレ”が勃つのだがなかなか起き上がってこない。彼は何も感じていないのだろう
か。確かに自分に張り付いているものだからあまり実感がわかないのだろうか?い
やそんなはずはない。むしろ自分に付いているからこそその不可思議な感覚に興
奮している。そしてそんなことをしてはいけないという罪悪感と揉んでみたいという
好奇心が隣り合わせになるような感情で頭の中が一杯になっているのだ。それだ
けの心の動きをしているのになぜ下のほうでは何も起こらないのか?ひとつの不
安が彼によぎった。その不安の正体を確かめるべく、掛け布団をなぎ払うかのよう
にめくり、履いていたズボンを勢いよく脱いだ。下半身はトランクス一枚のさびしい
状態。そこから彼は恐る恐るもトランクスの中身を覗いた。結論からいえば彼の股
間にあった『息子』はいなかった。どうやら家出をしたらしい。そう思うしかなかった。
もはや『彼』は『彼』ではなくなったのだ。もうこの際『彼女』といったほうが正しい
か。いや彼の傷ついた心と夢落ちなどいう結論を描くかもしれない著者の怠慢さを
考えてとりあえずは『彼』と呼び続けようと思う。彼はぐっと下唇をかみ締めながら天
を仰いだ。天井には木製の板が幾つも張り合わせてあるだけである。彼はため息を
つく。どうして彼はこんなことになったのだろうか。そんな絶望感を漂わせ打ちひしが
れていると、次にタスキを渡すように起こってきた感情があった。焦燥感である。
「このあとどうすればいいんだ…。」彼にはこの後、学校があった。ごもっともな不安
である。こんな姿で学校に行くのか?いや、その前に一緒に暮らしている父や、母
にはどう説明する?
「お前の両親は今単身赴任していることにしといたから安心せい。」
「なるほど、それなら安心だ。」
彼は一人でしゃべっている。少ししてようやくどうして自分はこんな独り言をつぶや
いたのかと疑問に思った。ぶつぶつつぶやいているというよりは見えない誰かと会
話しているようだった。かといって決して彼は痛々しい心持ちの人間ではない。そう
ではないならなぜと考えているとふと気づいたことがあった。先ほどの独り言は彼の
頭の中に話しかけるように聞こえたことに。そしてその声にも聞き覚えがあった。そ
う、夢の中で出てきた人間の言葉をしゃべる狐の声である。彼はひとつの仮説を立
ててみた。まだ夢の中にいるのかもしれないということである。おっぱいが突然でき
たのも、彼の一物がどこか遠出してしまったことも、それならこの怪奇現象のすべて
が納得がいく。だが残念ながらこの仮説はもろくもすぐに崩れ去った。なぜならお約
束かもしれないが夢かどうか確かめる手段として「ほっぺをつねる」という行為をして
みたのだが普通に痛かったからだ。しかも彼はおとといに爪を綺麗に切ったばかりな
のだがなぜか爪がもう伸びていてさらに獣のよう尖っていたため、お饅頭のように柔
らかくなったほっぺを引き千切れるのではないかと思うほどつねってしまった。実際、
恥ずかしいことに目からしょっぱい雫が一滴、流れ落ちるほどの痛さであった。
「自分の体を痛めつけるのではない。今はわしのものでもあるのだからな。」
またあの狐の声だ。
しかし妙なものである。頭の中に聞こえると言う感覚はとても羞恥を感じる。まるで自
分の考えを読み取られているようで、人間の最後の防衛ラインであるプライベート空間
の脳みそという部屋を意図も容易く土足で踏み込まれている気分だ。何より声がする
たびにぞくぞくする。頭の中でその狐の妖艶な声が響く上に、その狐の言葉を自分が
一字一句間違わず、勝手に口が動いて代弁するようにしゃべってしまう。しかも今の
自分の声は女の子になったからか甲高くそれでいて可愛らしい声。その自分が発した
その声が右耳に戻ってくる。左耳には狐の声が艶やかに耳元でささやくように入ってく
る。まるで両手に花のようだが男子高校生の彼には少々刺激が強すぎる。それでも今
は女となった身なので頬を刷毛(ハケ)で赤く塗ったような表情しかできない。そんなく
すぐったさを必死にこらえては会話を続ける。
「学校のことも気にせずともよい。創立記念日として休みにしといた。」
「そんなご都合主義な力がなぜ使えるんだ?」
「わしは神じゃ。お主という依り代を得たわしにとってはそのくらいなら造作もない。」
朱印を集めていて言うのもなんだが神様とはまたえらく非現実的なものが現れたもの
だと彼は思った。彼は当然のごとく当然の疑問をその狐の神様と名乗る声の主に問
いかけた。なぜこんなことが起こったのかと。なぜ女の体になってしまったのかという
ことを。
狐は答えた。
「夢の中で話したように今はそちの体に守り神として宿っておる。女体の姿になったの
はわしが雌狐である以外の理由は他にない。」意味はわかるが理解はしたくない気
分だ。確かに夢の中で守ってくるようなことを言われていたことはぼんやりとだが覚
えている。だが女になる理由がまるで理解できない。「ゼロに何をかけてもゼロだ!」
と言われ、なぜかと尋ねても「これはそいうものだからそうなのだ。」と学校の先生に
言われているくらいモヤモヤした。
「わしの力があればお前からありとあらゆる災難を回避することができる。こんなお得
なことはあるまいて。その代わりわしの願いをかなえてもらいたいのじゃ。」
「代わりに願いを?」
「そうじゃ、その願いはまずここの一番近くにある神社の狐の石像にわが魂を元に戻
してほしいのじゃ。元々あの神社の守り神としておったのだがワケあってお釈迦様に
その朱印帳に閉じ込めらた。封印を解かれ、今お主の体に居候しておるがお主の体
からなら元に戻ることができるはずなのだ。だからその手伝いをお主にして欲しい。そ
してもうひとつ。神社の石像に魂が戻ることができれば神社の信仰心も取り戻せるだ
ろう。が、わし一人ではどうしようもできない。よって我が神社の守護神に返り咲いた
あとも巫女としてお主にこの神社を経済的に守ってほしいじゃ。」
ひとつ目の願いは勝手に体の中に入って来たとはいえ百歩譲ってそんなに手間のか
かることでなければ手助けしてもいいかなとは思う。だがふたつ目の願いは百歩も千
歩も譲っても普通は断る案件だ。まず「経済的に」という言い方が学生の彼の不安を
煽った。まだバイトすらしたこともない身では神社の経営などできると考えられない。
そして何より巫女として神社を守るということにどんなリスクを含んでいるか少し考え
れば分かるからだ。
「巫女としてということはずっと女でいろってことか?」
「そいうことになるな。」
声に悪びれなど一切感じない。そのことに腹は立った。がどうしても怒りきれないでも
いた。それは彼が優しい人間であるからではない。もちろん彼は善意のあることを好ん
で行うような人間だから優しい人間でないはずがない。だが何の見返りもなく施しをす
るほどの聖人君子でもない。彼の怒りを留めたのは狐の声と一緒に流れ込んできた狐
の過去の記憶にあった。実は声と共に彼の頭の中に狐の記憶らしきものが川の支流
と本流が合流するように流れてきていたのだ。狐の記憶はどのくらいか昔のもの
だった。その身の上と苦労した過去がはっきりと動画をみるように分かる。その詳しい
狐の過去の記憶がどんなものだったかは後で話すとしてそれは少くなくとも彼の同情
を誘うものだったのだ。だがそれでもこのままずっと女の姿というのはどうも受け入れ
難い。
なのでとりあえずはひとつ目の願いである魂を石像に戻してからそのあとのことはあと
で考えようということで話は一旦妥結した。

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